オフィスに内在する騒音問題
働き方改革やダイバーシティという言葉が謳われるようになり、
長年社会に根付いていた、労働時間やパワハラ・セクハラなどのハラスメント問題に、少しづつ改善の兆しが見えてきました。
大企業を中心に多くの企業で労働環境の是正が進められる中、未だにオフィス内で頻繁に発生しながらも、そこまで大々的に注目されないのが「騒音問題」になります。
しかし最近では開放感のある、オープンレイアウトのオフィスが増えていることもあり、騒音がさまざまな問題を引き起こすケースもそれに応じて増加傾向にあるそうです。
今回はオフィス内における騒音問題と、解決方法と知られている防音・遮音対策についてご紹介します。
オフィス内の騒音によって引き起こされる問題
オフィスには、人の声や咳などの生理現象をはじめ、PCのキーボードを叩く音・各種O.A.機器から発せられる機械音など、枚挙に暇がないほど多種多様な音に溢れています。しかもその全てが騒音問題に発展する可能性を秘めています。
それではこれらの騒音によって生じる問題とはどのようなものがあるでしょうか。それは大きく分けて以下の3つに分けられるかと思います。
集中力の阻害
まず1番に挙げられるのは、従業員の人たちの生産性に大きく関わる内容で、集中力が低下してしまうことです。集中できる環境というのは人によって異なりますが、気になる音が鳴っている状態で、業務に集中できる人はあまり多くないでしょう。
人間関係の悪化
騒音の原因が人によって発せられる場合、付随する問題として深刻なのは人間関係が悪くなることです。この問題が防ぎづらい理由としては、発生源になっている人が、自身が出している音を騒音と自覚していないケースが多いからです。人体の特性上、自分が予想できる音は気にならない傾向があり、逆に自分が意図していない所から聞こえてくる音には敏感になることが多く、その結果騒音問題へと発展してしまいます。
情報漏洩などのセキュリティ問題
もう1つ、会社の存続に関わる大きな問題として、情報漏洩のリスクがあります。同じ会社の社員同士ならまだしも、来社される営業先やクライアントに、社外秘の情報が漏れてしまったら、会社の信用が損なわれてしまうことでしょう。
このように、きっかけは些細な音でも、最終的に会社の存続が危ぶまれるような危険性を孕んでいるのが騒音問題です。解決するためには、「原因となる音」と「それに対する適切な防音・遮音対策」を講じる必要があります。
騒音問題の具体的な事例
では続いて、オフィスにおける騒音問題の具体的な事例を詳しく見ていきましょう。
集中力が必要な業務が滞る
基本的に仕事中は、集中力を保ちたい人がほとんどのはずです。特に受発注処理や経費精算など、数字を詳細に扱う部門や業務はいつも以上に気を遣わなければなりません。そんな時、近くの席に大きな声で話す人や、キーボードのEnterキーを強く叩く人がいたら、業務が思うように進みませんよね?
結果仕事のスピードが遅くなってしまったり、集中するために人が少なくなる勤務時間後に残業をしなければならないこともあるかもしれません。
WEB会議中に…
近年急速に普及したWEB会議にも、騒音問題は潜んでいます。多くの企業でWEB会議用のスペースを確保していますが、オフィスの構造や状況によっては完全に隔離した場所が取れないこともあるでしょう。その場合、周囲の音によって通話先の声が聞き取りづらくなり、会議が円滑に進められない可能性があります。さらに社内の会話がマイクに入ってしまい、社外に漏れてはいけない情報が相手に伝わってしまうリスクも考えられますね。
また会議室を使っていたとしても、壁や天井で使われている材質次第では、音が反響してハウリングを引き起こすケースもあるようです。
オフィスで発生するその他の騒音
オフィス内には、人から発せられる音以外にも様々な音が出ています。先述したO.A.機器でいうと、代表的なものはプリンターやシュレッダーなどです。比較的新しい機種は静音性が高く、そこまで騒音と認識されないこともありますが、予算の都合でオフィスの機器を全て刷新するのは難しい企業も多いのではないでしょうか。
他にもオフィスの外、例えば車や電車などの交通音や、道路・ビルの工事音も、音の大きさや建物の構造によっては社内業務に支障をきたす騒音になり得ます。
オフィス内の騒音に対する防音・遮音対策
以上のように、オフィスの騒音問題は業務を進める上で避けては通れない問題といえます。さらに「騒音」と一口に言っても、発生する場所や音の質も様々なので、防音・遮音対策も多岐にわたります。ここではその一部を紹介します。
パーテーションを設置する
広いフロアを有効活用するために、ただ空間を区切るだけではなく、遮音にも役立つのがパーテーションです。吸音材を使用したものであれば、さらに効果を発揮するでしょう。ただしパーテーションでは上下のスペースが空いてしまうので、音を全て遮ることは難しいかもしれません。
1席ごとに囲いを設置する
コールセンターやテレマーケティングなど、主に電話業務を行う業種では隣席の声が入らないように可能な限り対策を取りたいですよね。その時によく使われるのが席ごとに設置できる囲いになります。元々囲いが付いた、ブース型の座席を用意するのもいいかもしれないですね。この対策の注意点としては、デスク全体が衝立で覆われるため、圧迫感が生じてしまうことでしょうか。
カーペットを敷く
カーペットは、通常の固い床と比べて音を吸収する傾向があります。オフィス全体の床に業務用のカーペットを敷けば、それだけで多少の吸音効果が得られるでしょう。しかしデスクや備品を搬入前に実装しなければ手間が倍増してしまうので、レイアウトを考える時に導入の判断を下すのがおすすめです。
防音工事や高性能機器を導入する
予算に余裕があれば、思い切って大々的に防音工事を実施したり、静音性に優れたO.A.機器を購入するのも1つの選択肢になるでしょう。ただ騒音対策は、目に見えて会社の利益に繋がるものではないので、防音・遮音対策にそこまで多くの予算を割けないという相談をいただくことが多いです。
BGMを流す
周囲の音が気にならないような音楽を流すことができれば、これまで紹介してきたような防音グッズやコストのかかる工事などを行わずに、手軽に騒音問題を解決できるのではないでしょうか。ただ闇雲に音楽を流しても、逆効果でさらに問題が悪化してしまうことも考えられます。
もしBGMでの対策にて、コンテンツにお困りの方がいらっしゃいましたら、こちら神山聴景事務所のYoutubeチャンネルで展開している、騒音をマスキングするBGMを試しにお使いください。
初めて聞くと「なんだこれは」と思うかもしれませんが、このアンバランスでランダムな音が周囲の物音などを埋没させて掻き消してくれます。
※音の種類によってはこのBGMでは対処できないこともありますので、ご理解いただけると幸いです。
また弊社では、独自のサウンドマスキング技術を活用したオフィス向けのサービスもあるので、最後にそちらを紹介します。
神山聴景事務所について
神山聴景事務所はオフィスの音環境を改善して心地良いウェルビーングな環境を音楽音響で提供しています。
オフィス空間では配信サービスの音楽や自然音を使われている一方、その音による騒音問題は深刻で相談するところもなくそのまま運用してしまっている現状があります。
そうした問題を改善するべく当社ではオリジナルの音響設計に加え独自技術で開発した音源を提供しています。
ただこれらをそのまま提供するわけではありません。
空間の特性に合わせて、音響調整を行いそこに最適な音環境を実現させます。
空間特性とはどういうことかというと、その空間を占める『音』を指します。
例えば屋内は静かだけど外の交通騒音がうるさかったり、BGMが悪目立ちして騒音化していたり、足音が目立ったりなどその空間を占める音を探し出しそれが騒音として認識されているならば騒音をマスキングするための対策を行います。
昨今のマスキング技術は問題解決してるようにみえますが、長期的にみるとそのマスキング音が騒音になっているという実態が多数報告されています。
たかが音、されど音と思うでしょうが音は24時間耳にしているからこそ長期的な視点で見ると心身に影響を及ぼす可能性があるのです。
心地よさは「耳の環境」から、つまり耳から入る情報をデザインすることが健やかなライフスタイルに繋がります。
弊社のサウンドマスキング音を聞いてみたい方は下記のリンクよりデモンストレーションの予約をお願いいたします。
デモンストレーション[聴景デザイン for OFFICE]
株式会社神山聴景事務所
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