top of page
執筆者の写真神山聴景事務所 株式会社

オルゴールだけじゃない 病院待合室の雰囲気が良くなるBGM




様々な事情を抱えた来院者が、診察を受けるまでの時間を待合室で過ごしています。この待ち時間中、窮屈さや不快感を感じることもあるかもしれません。

そのため、多くの病院やクリニックでは、オルゴール音楽やクラシック音楽が流れています。オルゴールの音色には、心を落ち着かせる効果があるとされており、患者にリラックスを提供する手段として広く取り入れられています。

確かに、耳に優しい旋律は落ち着きをもたらします。しかし、患者によっては体調が優れない時や気分が落ち込んでいる時に、その旋律がかえって気になる場合もあるかもしれません。


さらに音楽を使用せず、テレビを流しているところでは、ストレスを与える危険性があります。病院待合室の雰囲気を劇的に改善する鍵は、オルゴール音楽だけではありません。他にも心を癒す音楽があり、それらを活用することで、患者のストレスを軽減し、快適な空間を作り出すことができます。



自然音を含む音楽





自然音を含む音楽は、波の音、鳥のさえずり、風の音、小川のせせらぎなど、自然界の音をベースに作られた音楽です。これらの音は人間にとって非常に心地よく、リラクゼーション効果があることが科学的に証明されています。そのため、病院や医療施設で患者の不安を和らげ、リラックスした環境を提供するために活用されることが増えています。


自然音を含む音楽の効果


自然音が含まれた音楽には、次のような効果があります:

  • リラクゼーション: 自然音は心拍数や血圧を安定させる効果があり、体と心の緊張を和らげます。

  • 不安軽減: 病院での待ち時間や治療前の不安を和らげ、患者がリラックスできるよう促します。

  • 集中力向上: 自然音は静かで心地よいため、患者がリラックスしながらも集中できる環境を提供します。

  • 快眠促進: 自然音はリズムが穏やかであるため、睡眠を促す効果も期待できます。これは特に入院中の患者に効果的です。



なぜ自然音単体よりも、自然音を含む音楽の方が心地よく感じるのか




自然音がミックスされた音楽が心地良いとされる理由は、単に自然音だけでは得られない「心地よさ」を音楽が補完し、全体としてバランスの取れたリラクゼーション効果を生み出すからです。以下にその理由を詳しく説明します。


1. 自然音の心理的効果

自然音そのものには、私たちの本能的なリラックス反応を引き出す力があります。自然の音は、人間が長い進化の過程で慣れ親しんできた音であり、脳に対して「安全」や「安心」を感じさせます。波の音、雨音、鳥のさえずりなどは、脳の中でストレスを軽減する働きを持ち、心拍数や血圧を下げ、リラックス効果を促進します。

しかし、自然音だけを聞いていると、それが単調に感じられることがあり、人によっては「退屈」や「無感覚」になる場合もあります。このため、自然音だけでなく、音楽と組み合わせることでより深いリラックスと心地よさを提供できるのです。


2. 音楽と自然音の相乗効果

音楽にはリズム、メロディー、ハーモニーなど、感情や気分に直接的に働きかける要素があります。音楽は、感情を高揚させたり、穏やかにさせたり、悲しみや喜びを喚起したりする強力な力を持っています。特に、静かなメロディやゆったりとしたリズムは、緊張をほぐし、心を落ち着ける効果があります。



自然音と音楽がミックスされると、次のような相乗効果が生まれます:

  • 自然音が環境感を提供: 自然音は「場所の感覚」を与えます。例えば、海辺や森の中にいるような感覚を呼び起こし、非日常の安らぎをもたらします。

  • 音楽が感情に作用: 音楽は、自然音が提供する環境感を補完しながら、心に直接的に働きかけます。特に、メロディーや和音が加わることで、自然音が持つ「安心感」に感情的な「深み」や「安定感」が加わり、より豊かなリラクゼーション効果をもたらします。


例えば、穏やかな波の音に合わせてピアノの旋律が流れると、海辺にいるような心地よさに加え、音楽が感情を包み込むように癒してくれるため、リラックス感がより一層深まります。この「環境」と「感情」の両方に働きかける点が、自然音と音楽のミックスが心地よいと感じられる主な理由です。



自然音を含めた音楽を再生する際の注意点





病院やクリニックで自然音を含めた音楽を効果的に再生するためには、いくつかの注意点があります。適切な音響環境を整えることで、患者やスタッフにとってよりリラックスできる空間を作り出すことが可能です。以下は、特に考慮すべきポイントです。


1. 音楽用スピーカーの設置推進

病院内の放送用スピーカーは、主にアナウンスや案内のために設計されているため、音楽再生に適した音質を提供できない場合があります。特に、自然音やヒーリング音楽は微細な音が多く、低音から高音までのバランスが重要です。放送用スピーカーではこれらの音がクリアに再生されず、かえって不快感を与えることもあります。

そのため、音楽再生に適したスピーカーの設置を推奨します。高品質な音楽用スピーカーは、自然音や音楽の細かなニュアンスを正確に再生し、患者がよりリラックスできる環境を作ります。また、スピーカーの配置も重要で、音が均一に広がるように設置することが必要です。


2. 適切な音量設定

音量は非常に重要な要素です。音量が大きすぎると、かえってストレスを与えたり、他の会話や治療の邪魔になる可能性があります。逆に、小さすぎると音楽の効果が十分に発揮されません。理想的な音量は、背景音として自然に聞こえるレベルで、患者が意識せずにリラックスできる程度に設定することです。特に、待合室や診察室では、音楽が心地よい「環境音」として機能することを目指しましょう。


騒音レベルは音楽を含め45デシベル〜50デシベルが妥当なので、音量設定が難しい場合は騒音レベル計測アプリを活用しましょう。



3. 環境と音響の調整

病院の空間設計やインテリアも音響に影響を与えます。例えば、天井が高い空間や硬い壁材を多く使用している場合、音が反響しやすく、音楽が聞き取りづらくなることがあります。このような場合、音響パネルの設置や、家具の配置を工夫して音の反響を抑えることが効果的です。音が柔らかく均一に広がるよう、環境に合わせた音響調整を行いましょう。



病院にも適した音響ソリューション 〜 TOAと聴景事務所の共同開発サービス 〜




TOAと聴景事務所が共同開発した音響システムは、病院環境にも最適です。自然音と音楽が調和したこのシステムは、患者やスタッフに癒しの空間を提供し、ストレス軽減やリラックス効果をもたらします。待合室や診察室、リハビリルームなど、様々なエリアで活用でき、病院全体の雰囲気を改善します。

さらに、音響環境のカスタマイズが可能なため、治療前後の不安緩和や、スタッフのメンタルケアにも役立ちます。TOAと聴景事務所の音響技術で、病院の快適さを向上させてみませんか?


公式ホームページ



Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page